「Ｋａｂｃｏ＆Ｖａｎｉｌｌａ」2003.5.10 若干更新!
あなたのワンコは留守番上手？

練習しておけば楽になる事、けっこうあります。

自分の愛犬が留守番中にどういう態度でいるかを想像できますか？いつもと違う環境にいつまでも慣れない子、すんなり慣れる子、色々います。かぶこが実際に見たお泊り模様から、預ける際にできるだけ皆様の愛犬がストレスを感じない為に、日頃しておいた方が良いトレーニングについてなどをお話しようと思います。

★迎えに行った時に、唸ったり吠えたりするワンコ

ご自宅にお迎えに行った際、自宅の玄関先で吠えたり唸ったりしながらかぶこを迎える子がいます。こんな子も、車に乗せたとたん静かになり、かぶこ宅ではしっぽを振り大甘えしてくる子が多いので意外と心配には及びません。自宅はテリトリーなので責任感から吠えたりするようですね。　しかし、もし攻撃的な遺伝子や長年の習性による唸りや噛み癖で、車にすら乗せられない場合は、残念ながらお泊まりをお断りするするか、できる範囲での自宅への訪問シッターに切り替えています。

★車に乗った事がないワンコ

慣れない車のせいでしょう、車内で大騒ぎする子がいました。かぶこの家に着くまでできるだけ話しかけたり気をそらせるようにしますが、怯えのためオシッコやウンチをおもらししてしまったり、ぶるぶる震えていたり、可哀相です。
ワンちゃんはせっかく共に暮らす家族の一員です。たまには車に乗せて少し大きい公園などへ足をのばし、のんびり散歩などしてみてはいかがでしょうか？近い距離から車に慣らすと大抵のワンコは車が好きになります。若いうちから少しずつ慣らせば車酔いもしなくなることが多いようです。（車にのせる直前には物を食べさせない方がよいでしょう）。また車内で体が不安定だと酔いやすいので、バリケンを使ったり、犬用のシートベルトを使いましょう。犬を乗せることでの車の汚れが気になる方はバリケンの使用をお勧めします。車がないご家庭はしかたない、などと言わず、協力してくれる人が居たら自分がワンちゃんに付き添って練習させてもらいましょう。長い犬生、病院に行く時に急遽車を利用する事もあるでしょうからね。

★ご飯を食べないワンコ

環境が変わるとご飯を食べなくなる子は小型犬やシャイな子に多いです。１度目は食べなくても、お腹が空けば食べる事もあるので始めのうちはあまり心配しません。でも２食目、３食目にも食べない時は、缶詰や肉を混ぜたりします。それでも食べない事が続くと、小型犬の場合は体力の消耗が心配になってきます。食の細い子の飼い主さんは「これなら絶対食べる」と言う食材を知っておいてください。そして、それを教えてください。我が家の冷蔵庫にあれば、是非試してみますので。(^^;)
　療養食や贅沢をさせないなどの理由で、混ぜものをしないよう指示される場合もあります。そんな時に効果があったのは一粒食べたらとにかく喜んで見せることでした。誉めたり拍手したりして喜んであげると頑張って食べるのです。このような場面に限らず「誉められる心地よさ」は教えておきたいですね。尚、食事はいつも食べている物を持ち込まれるようお願い致します。急に食事を変えると、お腹を壊したり、味の違いから食べなくなる事があります。こちらで食事を提供する場合は別途料金がかかります。

★マーキングするワンコ

子を取らない場合は去勢が最良の手段です。留守がちで預ける機会が多い方には去勢をお勧めします。部屋での預かりが好評を頂いているKabco&Vanillaですが、部屋の中で自由にマーキングされては不衛生極まりありませんし、未去勢の子のおしっこはとても匂います。オスでもトイレトレーニングは可能です。室内にもトイレを設置して根気よく教えましょう。それから、排泄時のコマンドを覚えさせるととても便利です。シーシーと声をかけるとおしっこをする、と言う教え方です。トイレ以外へのマーキングや粗相があった場合、別途清掃費を頂く場合があります。（〜1,000円程度）

★他のワンコに慣れないワンコ

余程相性がよさそうな場合以外はお客さん同士はもちろん、かぶこの自宅のペットとお客さまを会わせる事はしません（柵越しには会う）ので、今のところ問題はありません。しかし、よそのワンコに対して攻撃的よりは友好的な方が感じがいいですよね。小さい頃に社交性を身につけたかどうかで大抵は決まる様です。子犬のうちから社会性を身につけましょう。

★吠えるワンコ

吠える理由にもよりますが、人（飼い主さん）と離れた事がなく「分離不安」によって留守番が出来ない、と言う子は、いきなり見ず知らずの家に預けられるのは、これ以上ない負担になります。お母さんが専業主婦などで留守番をさせる必要がなくても日頃からの留守番トレーニングが必要です。寂しさで何分も何時間も吠えて、声がかれたり心臓に負担がかかったり、体にダメージが出ることもあるのです。うちでは、夜に添い寝と言う事も出来ますが、添い寝しても吠えが止まらない子も居ます。かぶこが付き添っていても吠えの止まらない子の場合は、かぶこが心配で体調を崩してしまうので、お預かりを中止させていただく場合もございます。(ーー;)ﾏｼﾞﾒﾅﾊﾅｼ

★サークル未経験のワンコ

Kabco&Vanillaでは基本的に、世話をする人間が同室しない時にはサークルかケージを使います。ケージは慣れている子や繁忙期以外は滅多に使いませんが、ドアを開けてあちこち行かないようにサークルを使うことは多いです。サークルがあるだけで嫌がる子もいるので、おもちゃでの一人遊びをさせることや、クレートトレーニング（ケージトレーニング）は普段からしておく事をお勧めします。狭いところに閉じ込めるのは可哀相、と思い込んでいる飼い主さんがいます（実は犬を飼う前はかぶこもそう思っていました）が、犬は本来、多少薄暗く体の納まる限られた空間を心地よい居場所とする習性があるそうで、慣れてしまえばケージをパーソナルスペースとして、自らストレス回避の為に入ったりするものです。バニラはケージを拒否する子でしたが、４歳になり改めて正しい教え方で教えてみると自分からケージレストするようになりました。これからトレーニングを始める場合は、まずドアを空けたまま中で食事させたり、好きなおもちゃを上げたり、中でおやつを上げたりして、自分から入る様に施し、短時間から慣らして行きます。おりこうな瞬間に出して、誉めてあげましょう。次第に時間を長くしていきます。

★破壊するワンコ

相手が犬や猫なので多少の爪跡は許容範囲です。が、恐いのは異物の誤飲です。これも人目がない時にサークルに入れる大きな理由の一つなのですが、部屋には電気製品もあれば家具もあるので、大きなワンコなどは壊したり、その欠片を食べてしまう事も考えられます。物を壊さない事と、食べ物以外の物は口にしない事は普段からしっかり教えておくべきでしょう。床を掘ったり、家具を壊したことがある、異物を食べたことがある子についてはできるだけお泊りの前に言って下さいね。できるだけ、危険のないように準備します。

★「散歩とは人を引っ張ること」なワンコ

「脚側歩行」を教えていなくても、大人しく人の横を歩くワンコもいれば、教えても教えてもなかなかできずに我が道を行こうとするワンコもいます。（←バニラ）引っ張りグセがあっても、飼い主さんが脚側歩行を教えていない場合もあります。（体重が８キロを越えるワンコは脚側歩行を教えることをお勧めします。）
　脚側歩行とは、「ツケ」とか「あとへ」とか「ヒール」などのどれかにコマンドを決め、飼い主さんの膝あたりに鼻先を合わせて歩く練習です。（かぶこ家では「ツケ」）歩きながら犬が多少前に出ても「ツケ」と言えばきちんと膝の位置に戻るのが理想です。脚側歩行ができていないワンコにハーネスを使っている飼い主さんがたくさんいます。結論から言うと、これはよくありません。ある訓練士さん曰く、「犬は上半身（頭から胸の辺り）は非常に敏感だが、胸から下はかなり鈍感。飼い主の意思を伝えるためにはハーネスではなく、首輪が必要です。ハーネスは脚側の完成しているワンコに使うものですよ」。
　よく、「首輪だと首が締まって可哀相。ハーネスの方が犬を大事にしてる感じ」と言う方がいます。確かに、使い方を知らない人が、引っ張ると締まるタイプのチョークカラーを使うと、首が締まりっぱなしになることがあり、これは躾ではなく虐待です。しかし、大きなワンコでガンガン引っ張る子にハーネスを使うと肩を壊してしまったり、何よりお散歩させる人が引っ張られて大変です。

チョークカラーの正しい使い方が分からない方は、普通の首輪で結構です。
飼い主より前に出たワンコを「ピュン！！」と一瞬で引き寄せ、「ツケ」とコマンドを入れるのです。ワンコがそこで一瞬でも止まった隙に「ヨシヨシ」と誉めましょう。その繰り返しでワンコは「ツケ」を覚えます。

★首輪

自宅にいる時は首輪をつけていないという方も多いでしょう。が、こちらでのお預かり中は首輪をつけたままにさせていただきます。（食事のじゃまになる時などは外しますが）何故なら、部屋から脱走したワンちゃんとの万が一の喧嘩などが起きたとき、それぞれが首輪をつけていれば掴むところがあります。裸だと体のどこかをとっさに掴むことになったらイヤですから。ちなみに今までそう言うトラブルはなかったのですが、安全を守るために危機管理には気を使って使いすぎと言うことはないと思うのです。また、首輪に名前や電話番号が明記された首輪をしてこられる方がいます。これが最優秀だと、かぶこは思っています。

★えっ、トレーニング？？

さて、色々書きましたが、車に乗せたり「脚側歩行」などのトレーニングをしてないと預かってもらえないの？と言う心配はご無用です。もちろん、そう言う訓練のできているワンちゃんとはコミュニケーションがよりスムーズです。しかしかぶこが強く言いたいのは、毎日のトレーニングを通して飼い主さんが愛犬の性格を正しく理解したり、時間を共有する事で信頼関係が深まったり、延いては「自分には信頼できる主人がいる」と思う安心感から、ワガママで依頼心の強かったワンコが、自立してしっかりお留守番できることへ繋がったりもすると言う事です。犬との関係はただ「可愛い、可愛い」だけではダメですし、厳しすぎて萎縮させてしまってもダメです。愛犬の性格を見極め、適正な躾ができる人は意外と少ないように見うけられます。（かく言うかぶこもまだまだ勉強中です。）大事なのはまず愛犬に対する「厳格な愛情」を持つことです。

★預ける立場、預かる立場

かぶこがバニラとおりーぶを預ける立場だとしたら･･･。
上記の中には我家の犬にも当てはまる（過去に当てはまった）事もあります。バニラの破壊＆異物食癖や散歩でのハイテンション。おりーぶはよその犬に向かって攻撃的な態度をとること。そんな理由から、旅行に行きたいけれど預けた先で迷惑になっても何だし・・・と、預けることを断念してきました。お金を払うんだから家と同じ風にやってもらいたいとまでは思いません。トリミングと併設のホテルや、診察がメインの動物病院では、預かりのワンコに構ってる暇は殆どない事など容易に想像できますものね。我が家は２頭なので構ってもらえない寂しさは皆無でしょうが、家にいると必ず１日数度行われるバトル（団子になって遊ぶ）が出来る筈もなく・・・まぁ、そんな欲求不満は我慢させるにしても・・・。あれこれ考えて預ける決断が出来なかったのです。

次に、預かる立場としては･･･。
ペットを預かる時、一番に気を遣うのはペットの「安全」です。安全の為には引き換えにしなければならない事もあります。ショップに併設されているペットホテルなどでは、事故防止の為にどうしてもケージやサークルに入れたままになることや、他の業務がメインで散歩時間をそれ程とれない、もしくは散歩はしない事などは、やむを得ないことなのも理解できます。
私にしても「散歩、排泄、生活時間帯は出来るだけいつも通りに」を目標にしつつも、散歩中の事故や失踪、食事やストレスによる体調不良、預かったペット同士のトラブル、また町内の一員として、仕事で近隣に迷惑をかけることなど、避けたい事やあってはならない事はたくさんあります。

さて、そこで。かぶこはカットのかたわら、診察のかたわら、ではなく預かりが専門です。
「この子は朝ご飯をあまり食べなかったら、夕方は少し多めに運動してお腹をすかせてみよう」とか、「この子は寂しがりやの甘えん坊さんだから、しつこいくらいに話しかけてあげよう」とか、１頭１頭の様子を見たり、考える時間はたくさんあります。(^-^)v

「預ける立場」と「預かる立場」を経験して思う事は「お客さんが預かって、と言うから預かる」と言うスタンスではけしてペット達を預かりたくないと言う事です。かぶこは「ここにいた方が他よりいい」と言う信念を持って動物さん達を預かりたいのです。ですから、飼い主さんも「ご飯とトイレの世話だけ、よろしくね」と言うところから一ランク上を目指し、上記のことで出来る事は努力して欲しいのです。飼い主さんが出来る事と、かぶこが出来る事がかみ合って、ペットさんのもっとも快適なお留守番が実現するのですから。

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